一語一映Ⅲ

高知市の美容室リグレッタの八木勝二が、映画や本のこと、ランチなど綴ります。

映画レビュー 「HK変態仮面」「現代ポルノ伝・先天性淫婦」「潮騒(吉永小百合)」


★★★★★・・・なにを置いてもレンタル店へ走ろう ←新設しました
★★★★・・・絶対オススメ 
★★★・・・一見の価値あり
★★・・・悪くはないけれど・・ 
★・・・私は薦めない 
☆・・・おまけ

※本編の内容に触れる個所がありますから、観られていない方は、ご注意ください。


『HK変態仮面』


TV「勇者ヨシヒコの冒険」で山田孝之を、「コドモ警察」で鈴木福くんを、
「薔薇色のブー子」で指原莉乃を、「俺はまだ本気を出してないだけ」で堤真一を
そして「女子ーズ」で実力派若手女優陣を、ほんまこんな映画にも出させるの?
と思えるような役柄を平気で振り、見事に演じ切らせるという監督・福田雄一の名人芸の作品です。

この作品も、あの「花子とアン」で去年大ブレークした鈴木亮平が、全身吹き替えなしで
パンツ(というより、そこしか隠していない)一丁にパンティ仮面という高校生の役柄を
度真剣に演じているのが、も涙ぐましいまでの作品です。

このために体を鍛え、色を焼き、アクションに励んだというからすごいんです。
内容は、転校してきた女子学生に迫る悪の手から、彼女を守る高校生の役です。
パンティをかぶらないと力が出ないという設定に変に信憑性があり、
爆笑もののど真剣さが、失笑も含めて、笑えます。

脱力系のギャグで頭を真っ白にしたいときなんかいいですね。
真面目な気持ちで見たら、こけますからご注意を。★★


『現代ポルノ伝・先天性淫婦』


またもきわものですみません。
東映の外人ポルノシリーズの1本です。
前にも登場した「徳川セックス禁止令・色情大名」と同じく、監督・鈴木則文、
ゲストにサンドラ・ジュリアンという布陣です。
主演は当代切っての東映ポルノ女優№1だった池玲子さんです。

1971年の18禁作品ですが、今ならR15指定レベルかもしれませんね。
現代ポルノ伝と名をうったこの作品、大体タイトル大げさ、中身はコメディポルノという
調子の映画が多いのですが、開巻早々から目くるめく予期せぬ展開に付いて行くのが
大変と言った感じが最初の正直な感想でした。

脚本も書く監督の鈴木則文さんは、後に「トラック野郎」シリーズで大人気を博しますが
脚本も書いていますから、自分の作った筋を思い切りありったけぶち込んだというイメージです。
最後には女の復讐劇となる展開に驚きました。
「良くここまで、考えるか」と盛りだくさんの企画が練り込まれていんですわ。

それにしても、日活のロマンポルノに出てくる女性はほぼ「なんて馬鹿なんだ?」と
思わせる単純な思考の持ち主が多いのですが、東映の場合は男性陣がどー仕様もない
連中ばかり出てくるので、先が読めないのです。

若い頃の宮内洋も出ていますよ、彼だけ2枚目役ですね。★★


『潮騒(吉永小百合)』


吉永小百合さんの「潮騒」初めて見ました。
このころき「伊豆の踊り子」と「潮騒」が若手女優の登竜門でしたものね。
山口百恵―三浦友一コンビもそのまま踏襲しましたよね。

こちらは日活です。だから浜田光男さんとの「純愛コンビ」は必須の組み合わせなのです。
このころの二人のコンビ作には、いい作品が多いですよ。
僕の一番のお気に入りは「草を刈る娘」なのですが、「潮騒」もなかなかでした。

ストーリーは説明するまでもない三島由紀夫の原作ですね。
ほかの作品に比べて、読みやすいのはなぜでしょう?

吉永小百合さんもいいですが、浜田光男さんもなかなかいい役者だということがよくわかります。
レンタルにもつと出ないかな、このころの映画。★★★