一語一映Ⅲ

高知市の美容室リグレッタの八木勝二が、映画や本のこと、ランチなど綴ります。

【映画レビュー】原田芳雄さんと『祭りの準備』のこと

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僕の忘れられない映画です。

なぜかというと、地元の高校から都会の大学へ出ていこうとする高3の卒業直後に見たからでしょう、主人公・盾男に自分を重ねてしまったせいなんでしょうね。

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わが青春映画ベスト1である、「祭りの準備」での原田芳雄さん。
 主人公・たておの近所の兄貴格で、無頼漢の利ちゃんに扮していた。

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この映画は、僕が高校を出て、京都の大学へ行く1976年の3月に東宝で観た。
物語は中村の田舎で起こる痴話騒ぎと、状況を決意する主人公(脚本家・中島丈博)の
葛藤をコミカルに描く、物語。

ほかに似た作品が思い浮かばないのでジャンルも限定できない。

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 雨の中を疾走する、原田芳雄の雄姿。
 実はしようもないことで喧嘩したり、警察から逃げたりしているだけ。
でも、かっこいい。

中村の下田あたりらしい。

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このシーンが忘れられない。
浮気して家に帰らない主人公の父を見捨てた母は、浮気相手のところへ「あの人をよろしゅう頼む」と言いに行くシーンであるが、この奥の壁に彼女の息子が習字で書いたであろう「出発」という文字。「たびだち」と読まねばならないと心に決めていた。

これから都会に出ていく僕へのエールだと受け止めた。

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ラストシーンは、設定は窪川駅(当時は中村まで汽車は繋がっていなかった)。
家で同然に東京へ出ていく主人公と、指名手配の逃走中に偶然会った彼。

駅での別れ。
警察に指名手配されたとらわれる自分と、
見えぬ将来に賭けて故郷を出て行こうとする、対照な二人の会話。

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 原田さんの土佐弁にしびれた。

「竜馬暗殺」でも見事な土佐弁を見せた。
設定上はホントは幡多弁なのが正解なのだろうが、どちらかと言えば完璧な土佐弁だった。

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ロケ地は土佐佐賀駅だったようだ。
「ばんざ~い! ばんざ~い! ばんざ~い!」
と十度以上繰り返す。

飛び上がって主人公を、自分を、鼓舞している。

そのあとの主人公の顔が、希望に満ちた顔ではなく、
どちらかというと「卒業」のラストのダスティン・ホフマンとキャサリン・ロスのように・・・

解放と不安が入り混じった顔だった・・・。

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列車がトンネルに入って、テールランプが見えなくなって「完」

原田芳雄さん出演映画・僕のベスト5

① 祭りの準備
 

祭りの準備

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② 竜馬暗殺 

竜馬暗殺 [DVD]

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③ 父と暮せば 

父と暮せば 通常版 [DVD]

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④ 大鹿村騒動記 

大鹿村騒動記【DVD】

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⑤ 原子力戦争  

原子力戦争(新・死ぬまでにこれは観ろ! ) [DVD]

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黒木和雄監督作が3本もある・・・ 

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