一語一映Ⅲ

高知市の美容室リグレッタの八木勝二が、映画や本のこと、ランチなど綴ります。

独断と偏見の映画評 120 「キング・オブ・エジプト」「ハドソン川の奇跡」

ブログランキングに登録しました。
一日1ポチッで応援してください。
   ↓


高知県 ブログランキングへ

★★★★★・・・なにを置いてもスクリーンへ走ろう 

★★★★・・・絶対オススメ 

★★★・・・一見の価値あり

★★・・・悪くはないけれど・・ 

★・・・私は薦めない 

☆・・・おまけ

【キング・オブ・エジプト】 

f:id:yagikatsuji:20160916151302j:plain

原題は「GODS OF EGYPT」ここらがミソなんです。
公開タイトルが「ゴッド・オブ・エジプト」なら、見方が全然変わっていたのに、というお話をしたくて取り上げたのです。

予告編を見ていただいて、だいたいのイメージをしていただこう。 

『キング・オブ・エジプト』予告編

それに対して、日本語版の予告編です。


『キング・オブ・エジプト』吹替版予告編

どっちがよかったですか?

僕は吹き替え版で見たらよかったー、と思ってしまいました、128分の長尺映画です。

歴史スペクタクルもののCG制作版だと思い込み、まともな気持ちで見たのが間違いでした。
予告編にもあるように、劇場でアトラクションを楽しもう、な映画なのでした。

セリフを英語で聞きつつ字幕を読むほどの必要のあるセリフではないのだ。原語のニュアンスなど問題ではなく、エジプトの神々の権力攻防を多彩なCGで見る映画なのだ。

f:id:yagikatsuji:20160916154155j:plain

予告編で、このシーンが入っていたら絶対に見なかっただろうな。

そう、神々は戦うとき変身するのです。予告編にこれは入れるべきだ。
この手が好きな人は飛びつくだろうのに、まっとうな歴史スペクタクルを期待して行ったがために。
この辺まではとてもよかったんです。 

f:id:yagikatsuji:20160916154544j:plain

ヒーローはイケメン、ヒロインも可愛い。楽しみだと思ったら、突然のへんし~んですから驚いた。

アトラクションだと思ってみてください。
そうしないと僕のように落胆します。歴史大作ドラマとして期待して見てはいけません。

ホントは★0個にしたいところですが、★1個にしておきます。力作には間違いないのですから。 

 

【ハドソン川の奇跡】 

f:id:yagikatsuji:20160916150622j:plain

試写会で見てきました。

公開前に見られたので、これは宣伝しておかなくては・・・と言うところです。

まず、予告編からどうぞ。 


映画『ハドソン川の奇跡』予告編

こちらは、CGを使っていると言ってもドラマ上必要不可欠なものであり、悪夢と悪夢のような事故を再現するためのものですから、アトラクションではありません。

こちらの原題は「SULLY」なんのことかと思いました。
アメリカでは実話の英雄として「サリー」という名前で通っているんでしょうね。日本でサブちゃんと言えば北島三郎さんのことを指すのを国民がわかっているように。

そして「サリー」を等身大の人間として描くために、弱い部分、迷う部分、挫けそうになる部分を名優トム・ハンクスに演じさせます。 

f:id:yagikatsuji:20160916150642j:plain

離陸して直後に両翼のエンジンに鳥が大量に飛び込み、エンジン停止してしまった飛行機は高度があがってないまま、進まざるを得なくなり、近くの滑走路へ着陸することを断念、そしてハドソン川への不時着を決意します。外は1月の寒いニューヨークの川へ・・・。

乗客・乗員155人全員が無事という奇跡の不時着を遂げたにもかかわらず、その判断は正しかったのか?近くの滑走路へ戻れたのではないかと調査委員会から指摘をされ、シミュレーション実験でもことごとく「直陸成功」を見れせられます。 

f:id:yagikatsuji:20160916150705j:plain

「許されざる者」「ミリオンダラーベビー」で2度のアカデミー賞監督賞に輝いた現役86歳の監督クリント・イーストウッドと、「フィラデルフィア」「フォレスト・ガンプ/一期一会」で2年連続主演男優賞を獲った60歳のトム・ハンクスが組んだ、監督は監督の仕事をやりきり、俳優は俳優の仕事をやりきった映画でした。

 

実質90分の中で描かれるドラマは濃密で、人間を描き切っています。
とんでもないスペクタクルを期待してはいけません。

人間ドラマなのです。

 調査委員会の人達の描き方にも好感が持てるのはラストシーンのおかげでしょう。

※タイトルロールが出ても最後まで見てください。感動が待っていますから。

今年みた洋画で只今トップ。★★★★★