一語一映Ⅲ

高知市の美容室リグレッタの八木勝二が、映画や本のこと、ランチなど綴ります。

独断と偏見の映画評 118 「後妻業の女」「シン・ゴジラ」

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★★★★★・・・なにを置いてもスクリーンへ走ろう 

★★★★・・・絶対オススメ 

★★★・・・一見の価値あり

★★・・・悪くはないけれど・・ 

★・・・私は薦めない 

☆・・・おまけ

 

「後妻業の女」

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黒川博行さんの「後妻業」という原作の映画化。

高齢化社会の中で、テレビニュースでもそのままありそうな物語です。
高齢者結婚相談所の所長と結託して、持病持ちの金持ちの老人に近寄り、結婚(内縁の場合もあり)しては、早死にさせるように細工をする女、これが「後妻業」と言うわけだ。
映画はテンポよく始まり、武内小夜子(大竹しのぶ)、柏木亨(豊川悦司)の関係性と過去の手口が描かれていきます。

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6番目の夫・六平政直さん、7番目の夫・森本レオさん、8番目の夫・伊武雅刀さんらはごく一僅かな出演シーンなのですが、確実に存在感を示しています。

「武内小夜子、63歳、好きなことは読書と夜空を見上げること…わたし、尽くすタイプやと思います」結婚相談所主催のパーティで可愛らしく自己紹介する小夜子(大竹しのぶ)の魅力に男たちはイチコロである。

9番目の夫として「見染められた」のは、津川雅彦さん。いかにもスケベが似合う富豪役として適役。

 

手口がすごい。籍も入れず法律の盲点をかいくぐって遺産をすべて我が物にという作戦はモノの見事に成功し、小夜子と柏木が山分けということになる予定だったところが・・・。

娘たちが探偵を頼んで、調査に乗り出す当たりからコメディがサスペンスになり、最後は謎解きミステリーの様になる・・・

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きっと原作はもっとエキサイティングなはず。
でも、演技派の芸達者な演技陣が見事に応えて、時間を忘れる映画に仕上げています。

俳優さんがいきいきと演じているのがしてもいい。

★★★かな?

後妻業 (文春文庫)

後妻業 (文春文庫)

 

 

シン・ゴジラ

 

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「ゴジラ」ものは1作目を除いて、子供の頃見たモノと、子育て中にみたモノ以外は海外作品を含めて見ていない。特にCG化されたゴジラはただの恐怖の対象でしかない「暴れあくる怪物」であって、生まれ出必然、暴れまくる必然が感じられなければ、他のSF映画と変わりがないので、見ようとも思わなかったのである。

今回の新作は、あんまり周りが「すごい」「すばらしい」「いい」を連呼するので見に行ってみた・・・

すごかった。

予告編ではブゥンブゥン振り回されるゴジラの尻尾だけがやけに気にかかったものだったが、それは見せ場のわずかひとつであり、特撮(と言うよりCG)がすごいというよりも、ドラマが面白かった。これでもかと出てくる主演級の俳優さんたち、短いセリフと役職で語らせる群衆ドラマ。政治って決断ってああいうふうに決まっているんじゃ?と思わせる展開と内容。

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このでかさにやられました。
なぜでかいのかは本編を観てのお楽しみ。

全部は見ていないので偉そうには言えないが、無言ながらゴジラが1作目以来真の主役になった映画ではなかったのでしょうか?

人間たちは、自分の立場と使命に燃え右往左往しながら、ことの収拾に奔走し、ゴジラからの被害を最小にするための決断を次から次へと迫られる・・・。

 

映画が終わって、月曜の姫なのに8割方入っていた観客が全員立たずエンドタイトルとエンディングテーマを聞いていたというのには驚きました。

懐かしきメロディを聞きたい、それに乗って流れてくるキャストは誰が出ていたのか確かめたいという気持ちからだと思う。

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それだけぼくには「真ゴジラ」な映画だった。★★★★