一語一映Ⅲ

高知市の美容室リグレッタの八木勝二が、映画や本のこと、ランチなど綴ります。

追悼・菅原文太さんおススメ映画ベスト5+1


高倉健さんが亡くなって、追悼ブログをやらなければ、と思っていて
高倉健さんベスト10を考えていたのですが、あまりにも代表作的な作品が多く
その中でも必見の「南極物語」「八甲田山」「遥かなる山の呼び声」「あ・うん」を
見ておらず、それで語るのは申し訳ないとばかり、レンタル店に行っても
ほぼ「借り出し中」ばかりなので、見られず、うろうろしているうちに文太兄貴まで
逝っちまった。

これは追悼ブログを書かねばと、
べスト5を回想することにした。


【番外】
『妖怪大戦争』


晩年の作品にもいいものを出していました。
頑固オヤジだけど、息子や孫のことを心では信じ、支えているじいちゃんという役どころ。
「妖怪大戦争」「愛しのグランパ」「バッテリー」と「おおかみこどもの雨と雪」の声だけの出演など。

「妖怪大戦争」をあえて上げたのは、そのあとの妖怪に化けて出てきそうな
妖怪っぽいじいちゃんを怪演していたから、なんです。


【第5位】
『県警対組織暴力』


実録路線の中で、文太さんが警察側になった演じた作品です。
ほとんどが、やくざの悲哀を描いた作品が多かった中で、
警察側で演じた文太兄貴は、やくざよりもやくざっぽくてかっこよく、
迫力があったのでありました。


【第4位】
『トラック野郎・故郷特急便』


代表作に数えられていますよね。
人気ありましたもの。
一時は盆と正月は、松竹の寅さんに、東映は「トラック野郎」というのが5年続いたんですよ。
各社が、百恵・友一や、いろんなシリーズで対抗しましたが、健闘したのは「トラック野郎」シリーズでした。

10作ある中の最終作を選んだのは、演技的にとか、ドラマがどうのというわけではなく、
舞台が高知なので、一番印象に強く選んだ次第です。


【第3位】
『ダイナマイトどんどん』


これは痛快作でした。
トラック野郎で開眼したコミカル演技をやくざの本来の世界に持ち込んだ痛快作なのです。
監督の岡本喜八さんの腕前がさえましたね。

男気の中に、ユーモラスな人間味も漂わせ、文太兄貴にしか出せない味を醸し出してくれました。

やくざの落とし前を野球でつけるという奇想天外さが痛快な映画でした。


【第2位】
『仁義なき戦い』


多くの方はこの映画が一番だというでしょうねぇ。
ただ僕は、カメラごと疾走し、揺れる実録物があまり好きではありませんでした、正直。
そして群像物としてみたときに、ほかにも光っている役者さんがたくさん居ましたから、
これは、僕のベスト1にはなれませんでした。

ただ、エネルギッシュな演技・演出には脱帽いたします。



【第1位】
『太陽を盗んだ男』


1位はこれ、
あまり有名ではないですか?
1979年の沢田研二主演の作品です。

中学校の理科教師が、プルトニウムを強奪し、ミニ原爆を作り、日本を脅迫するという映画です。
文太兄貴は、ここでは犯人とかかわりのある警察の警部を熱く演じます。

この暑苦しさが文太兄貴の真骨頂ではないかと僕は思うのです。