一語一映Ⅲ

高知市の美容室リグレッタの八木勝二が、映画や本のこと、ランチなど綴ります。

ママに見て欲しい子どもたちが主人公の映画20選⑧「ロレンツォのオイル/命の詩」レビュー

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中1終わりから映画好きになり、洋画・邦画を問わずに映画館通い。

映画もDVDやテレビで過去の名作が簡単に見られる時代になりました。

映画館もフィルムからデジタルへ移行して、どんどん進化していますが、中でも映画で昔から描かれる普遍のものは、「親子の愛」です。

推定6,000本観た映画の中から、ママたちに観ていただきたい名作を毎回1本ご紹介します。

ご紹介する映画はDVDレンタルでご覧いただけるものから、選んでいます。

公認映画検定2級・美容室リグレッタ・オーナー/八木勝二

8.【ロレンツォのオイル/命の詩】

1992年アメリカ映画・ユニバーサル映画、129分 カラー

監督・脚本=ジョージ・ミラー、脚本=ニック・エンライト、撮影=ジョン・シール

出演=ニック・ノルティ、スーザン・サランドン、ピーター・ユスティノフ、ザック・オマリー、グリーンバーグ

(ストーリー)

不治の病、副賢白ジストロフィーに侵されたひとり息子であるロレンツォの難病を治すことの出来る医師が居ないと知り、オドーネ夫妻(夫オーギュストと妻ミケーラ)は医学的知識が無いにもかかわらず自力で治療法を探すことを決意。

治療法を見つけ出すため、もはや手の尽くしようがないと信じる医師、科学者、支援団体らと衝突する。しかし自らの意志を貫き、医学図書館に通い詰め、動物実験を参照し、世界中の研究者や一流の医学者らに問い合わせ、さらに自ら副腎白質ジストロフィーに関する国際的シンポジウムを組織するに到る。

死に物狂いの努力に関わらず、息子の様態は日々悪化する。次第に彼らが参加していた支援団体のコーディネーターからも疑いの念が抱かれるなか、彼らは食餌療法として特定のオイルに関する治療法を思いつく。100以上の世界中の会社に問い合わせた結果、適切な方法で蒸留することが出来る定年間近の英国老化学者を探し出す。

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(鑑賞)

実話に基づく難病物の映画です。

その中でもこの作品が名作たるゆえんは、親が一番必死になってあきらめず、医師をも乗り越えて、自分たちが研究の末、治療薬を見つけるという感動というより、鬼気迫る現実を描いた映画だからです。

今から25年も前に完成した映画ですから、当時ADLという病気は知られておらず、この映画のおかげで広がったともいえます。母親だけからの遺伝子で男の子だけに起こる病気で、5歳~10歳に発病し、2年以内に死に至るという難病です。

体内循環の中で、ある種の脂肪酸が燃焼排出されずに、脳に溜り、それが呼吸を困難にしたり、体の自由を奪っていったりという病気なのです。

親たちは、仕事を投げ打ち、他の子どもは預けて、ロレンツォ(イタリア系です)の病気を治す研究を始めます。今のようにインターネットのない時代のことですから、図書館で文献を読み漁ります。

そしていくつかのヒントを得ては、医師に治療の糸口にして欲しいと頼むのですが、実験結果が出ていないとか、いろんな理由で先送りされてしまいます。それでもあきらめず、ADLの親の会に出席して情報交換したり同士を募ったりしますが、時間との戦いですから、休むことは許されません。

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夫婦同士での葛藤や、回復の見込みが見えない看護を投げ出してしまう仲間たちもあり、またもや突き当たります。

脂肪を溜めないオイルがあることを文献から発見し、世界中を探して、手に入れますが、それは一時的な効果にとどまります。

それでもあきらめない夫婦は学術的論理から、もうひとつのオイルを配合すれば有効になる、という確証を得てそれも苦労して見つけ、配合し、やっと進行を止めることができます。

他のADLで苦しむ子達にも、と思うのですが、医学的見地から医者からは進められないと断られ、出口を見つけられなくなりそうになる二人でしたが、またも道を切り開いていきます。

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不屈の闘志、無償の愛情、そんなことを教えてくれる映画です。

 

自分が親だったらどこまでできるのか、考えさせられる映画でもあります。

地位も収入も捨ててあそこまでできるだろうか、でもおかげでADLの子どもたちはこのオイルを使うことで未然に防げたり、回復したりしたということがラストのタイトルロールで紹介されます。

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まだオイルが完成していなかった1992年に映画化に踏み切ったことも、世界が取り組むことになったきっかけです。映画を作ったスタッフの勇気をたたえたいと思います。

実在のロレンツォは、30歳まで生きられ、意志の疎通や簡単な会話までできるようになったそうです。

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