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一語一映Ⅲ

高知市の美容室リグレッタの八木勝二が、映画や本のこと、ランチなど綴ります。

昭和の映画レビュー 「雁の寺」「ミスター・ベースボール」「からっ風野郎」

★★★★★・・・なにを置いてもレンタル店へ走ろう ←新設しました
★★★★・・・絶対オススメ 
★★★・・・一見の価値あり
★★・・・悪くはないけれど・・ 
★・・・私は薦めない 
☆・・・おまけ

※本編の内容に触れる個所がありますから、観られていない方は、ご注意ください。


『雁の寺』


水上勉さんが推理小説家として名を成した後、人間模様に切り込みたいという意欲で
書き下ろした「雁の寺」は高い評価を受け、直木賞を獲ってしまいました。
その作品を翌年早速に映画化したのがこの作品です。

水上作品には、貧困、差別、コンプレックス、忍耐、許されぬ恋愛というものをちりばめながら
これ以降の作品が小説として評価され、次々と映画化されていった
分岐点になった小説であり、映画なのであります。

川島監督の映画はストレートではありません。
カメラアングルからして、ありえない角度からの撮影がたくさんあります。
この作品でも、汲み取り口の中からのショットとか、墓穴の底からのショットとか。

またプロローグかエンディングに現代を入れるという手法をこの作品でも取っており、
さりげなく、若尾文子さんのその後は、こうなったのかも?
そして、今は観光地化しているお寺で、こんな奇怪な事件があったんですよとシニカルに描いています。

「湖の琴」「五番町夕霧楼」(佐久間良子版)「越後つついし不親知」などの映画も
久しぶりに見てみたくなりました。★★★★


『ミスター・ベースボール』


中日の監督に高倉健さん、中日にやってくる助っ人外人にトム・セレックという布陣で
挑んだ野球映画です。

よくある大リーグのプライドを持つ選手が日本の練習方法や試合で求められる
チームプレーに戸惑いながら、野球というゲームを楽しむために理解仕合を始め
優勝を狙って一丸となって戦い始めるというストーリーのあまり面白みのない映画でした。

健さん追悼の一環として観たのですが、逆にどうしてこんな映画に
出演をしたのかわからないような普通の作品でした。

でもあのころの健さんはまだ名優の域ではなく、
何でも出ますのスターだったから、こういう作品にも出てましたよ、として観る方が
正しいのかも知れませんね。  ★★


『からっ風野郎』


作家・三島由紀夫さんが俳優として主演したやくざ映画です。
鉄砲玉やくざに三島由紀夫さん、その愛人に若尾文子さんを配した増村監督の作品です。

三島由紀夫さんの文学は見事でも役者としては素人ですから
こういう単細胞のような役であれば、演技というより勢いでいけますから
こういう作品を選び配役を振ったのだろうとは想像がつきます。

やくざで単細胞な男に惹かれて離れられない演技も若尾さんならではの侠気(狂気)の世界です。
幸せになれるかも?という期待を抱かせつつ、壮絶にかっこ悪い死を三島さんに演じさせた
増村監督の英断は正しかったのだろうと映画を見て、つくづく思ったものでありました。
★★