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一語一映Ⅲ

高知市の美容室リグレッタの八木勝二が、映画や本のこと、ランチなど綴ります。

ブックレビュー 「ニャロメのおもしろ性教室」「ぼてぢゅう一代」「娘の中の娘」

活字かつじ中毒



『ニャロメのおもしろ性教室』


昭和50年代の赤塚不二夫さんは、ギャグ漫画にひとつの世界を確立した後で、
50年代からは「ニャロメの〇〇教室」「〇〇入門」「〇〇論」「〇〇探検」といった類いの
漫画を開拓していました。

ギャグ漫画の帝王の転換時期だったとも言えるかもしれません。

僕が一番最初に読んだのは「ニャロメのおもしろ麻雀入門」でした。
その本で麻雀を覚えたのではなく、少し前から知っていましたが、
折から大学生の麻雀ブームでしたから「覚えたかったらまずこれ読んで」
と友人に読ませていた記憶があります。

数多いマージャン入門書の中で一番楽しくてわかりやすいのが赤塚さんの本だったのです。

この本は男女の性の違いを明確にして、違いを大事にお互いを尊重しあって
両立させていくことの大切さをまじめに説いてくれています。

ドラえもんの勉強本が小学生に読み次がれているように、
ニャロメのシリーズも絶版にせず、読みつがせてほしい名著書だと思うのです。



『ぼてぢゅう一代』


これも昭和48年の作品ですから、古い作品ですが、
大阪のお好み焼きの父「ぼてぢゅう」のオーナーの一代記なのであります。

伝記的読み物は、時代を超えて楽しいものです。

主人公西野栄太郎の波乱万丈ながら「お好み焼き一筋な人生」には
1本の大きな縦糸と、何本もの横糸が絡まりあい、ぼてぢゅうの一世一代の記録が豪快に
繰り広げられいくのです。

実話をもとにした小説はいつの時代も楽しく、波乱万丈で
どんどんページを繰らされます。


『娘の中の娘』

こちらは昭和33年に書かれた源氏鶏太さんの小説です。
このころの源氏さんは「サラリーマン小説の名手」として、軽くてユーモアのある
小説を何本も連載し、当代一の売れっ子作家だったのですから
文章のうまさ、そしてストーリー展開の鮮やかさは「おみごと!!」というほどのスピードと
ユーモアセンスです。

物足りないのはも「悪人」が登場してみないこと、
あまりに平和すぎてスリリングではありません。
戦争が終わって、「頑張っていれば、ぜったい夢は叶う」んだというメッセージだけは失わない
テンポはお見事の一言です。

悲惨なのは戦争で結構。
これからは「頑張れば変われる」女も社会に参加する時代なんだという
気風が小説中からあふれ出しているのが、なんとも心地よい作品でありました。