公認映画検定2級・6000本の映画を見た僕がおすすめする、日本映画のシリーズ映画ランキングベスト11
シリーズ映画の邦画編です。
※シリーズ映画の定義をまずしておきます。
①タイトルが、続・新・・・とつながっているだけで、主人公の変更や内容の異なるものは除外
②3作以上製作されていて、僕が内2作以上見ているもの
③タイトルがひと目で続編と分かるようになっているもの
外国映画版はこちら・・・
【次点『ビー・バップ・ハイスクール』】
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きうちかずひろさんの人気漫画「ビー・バップ・ハイスクール」を東映が映画化ですね。
1985年の題一作から人気を博し、6作目まで作られました。
主演のツッパリ高校生二人には、清水宏次郎と仲村トオルが抜擢されました。
2人ともデビュー作で主演を飾りました。
でも僕には、1作目、2作目に出た中山美穂の方が目当てだったような気もします。
1作目では主題歌も披露しています。
リメイク版がありますが、最初の2作目あたりまでが、破天荒でイケましたよ。
同じく東映で作られた「あぶない刑事」シリーズもよかったけど、
あれはテレビの方がもっとよかったですねぇ。
【10位『戦争と人間』】
五味川純平さんの大河小説を3部作で映画化です。
1970年第一部197分、1971年第二部「愛と悲しみの山河」179分、第三部「完結篇」187分というものすごい作品です。合計すると9時間23分という大作です。
出演俳優も日活に限らず、ほとんどの映画会社や舞台のが主の俳優も出ており、登場人物の整理だけでも出来ないほどの大作でした。
大作ドラマが得意な山本薩夫監督の乗りに乗っている頃です。
DVDも出ています。
主に太平洋戦争中の財閥五代家の人々をめぐる物語です。
「あの頃の日本の俳優」を見るだけでも価値のある作品ですよ。
【9位『刑事物語』】
東宝で1982年から1987年までに5本作られた人情刑事ものです。
原作・脚本・主演に武田鉄矢、原作の片山蒼というのは、武田のペンネームなんです。
2作目からは「りんごの詩」青森県、
3作目「潮騒の詩」長崎県、
4作目「くろしおの詩」高知県、
5作目「やまびこの詩」山梨県、
とローカル色濃く主人公・片山刑事が転勤します。
松竹の寅さん、東映のトラック野郎のヒットのようには乗れず、5作で終わりましたが、なかなか面白いシリーズでした。
見せ場は、ハンガーヌンチャク。
ブルース・リーのカンフー・ブームに、実は武闘派な武田が、本物アクションを繰り広げます。
当時の「一番見たい映画大賞」を受賞しています。
【8位『映画ドラえもん』】
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今年「STAND BY MEドラえもん」が代筆としましたが、こちらは現在までに34作が作られている、日本アニメ映画では1番のシリーズ作です。
1980年に「ゴジラ対モスラ」の再上映の併映上映としてスタートしましたが、大ヒットのため翌年から春休みは「映画ドラえもん」というスタイルで定着しました。
以来年1作25作まで作られたとき、藤子F不二雄さんが亡くなり、1年中断しましたが、2006年にリメイクで「のび太の恐竜2006」としてカムバック。
以降、リメイクとオリジナルをほぼ交互に製作されています。
正直、藤子F不二雄さんがなくなってから、クォリティが思い切り落ちました。
いや、ドラえもんのファンタジーじゃなくなってきたって感じですかね?
だから近頃は見ていません。やはり監修であれ原作者の力は大きいんですね。
アンパンマンもそういう意味では、今後が心配です。
僕のベスト3は
①「のび太のパラレル西遊記」
②「のび太の大魔境」(この前リメイクされました)
③「のび太のねじ巻き都市大冒険」 です。
【7位『悪名』】
シリーズものの多かった大映からは、勝新+田宮二郎の名コンビ作を代表として。
八尾の定吉親分と、モートルの貞のコンビがいいですね。爽快です。
勝新太郎さんには、「座頭市」、「兵隊やくざ」と名作・快作がありますが、
座頭市は3作目まで、兵隊やくざは2作目までが生きのいい映画、「悪名」は1961年の1作目から4作目までは、とても生きがよかったのです。
そのあと1974年の16作目「悪名・縄張荒らし」まで続きますが、あとは付けたしですね。
とにかくベタな河内弁がいい。
2001年に的場浩次、東幹久でリメイクされたのは見ていません。
【6位『トラック野郎』】
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トラック野郎シリーズは、時代劇からの仁侠映画が廃り、エログロ路線にも行き詰り、
実録路線も飽きられてきた頃の東映が、松竹の寅さんに対抗して作ったシリーズ映画です。ですから、1975年の夏から、暮れ、夏、暮れの繰り返しで10本作られています。5年間で10本と実にコンスタントで、そしてぱっと消えました。
第一作「ご意見無用」は面白かったです。
なんたって、「仁義なき戦い」のこわもて、菅原文太さんがコメディをやるというのが大受けだったのです。
文太の、一番星・星桃次郎、愛川欽也の、「やもめのジョナサン」とパロディも利いていましたね。
寅さんよろしく全国をトラックでめぐります。
各地で、マドンナに惚れては献身的に尽くして、事件を解決してはフラレます。
寅さんのパロディといっても過言ではないでしょう?
ただ、それの繰り返しばかりである映画に飽き、5年間で終わりました。
歴代マドンナは、以下のとおり。
1、中島ゆたか 2、あべ静江 3、島田陽子 4,由美かおる 5、片平なぎさ
6、夏目雅子 7、原田美枝子 8、大谷直子 9、小野みゆき 10、石川さゆり+森下愛子 というマドンナでした。
最終作の10作目は高知ロケ作品でしたよ。
【5位『東宝のクレージー映画』】
クレージーキャッツ 無責任ボックス (初回限定生産) [DVD]
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東宝のクレージー映画は30本ありますが、
無責任シリーズが2本、「日本一の・・・男」シリーズが10本、クレージー大作戦シリーズが14本、時代劇ものが4本で継続並行して製作されているため、タイトルでくくるのが難しいんです。
松竹でのハナ肇主演のシリーズなどは、別物として扱います。
基本、東宝の植木等ものと、クレージー・キャッツの総出演ものに限ります。
やはり1本目の「ニッポン無責任時代」のインパクトは強烈でした。
まじめにコツコツ馬鹿らしい、という高度成長期のアンチテーゼを見せてくれたところは「そんなに急いでどこ行くの?」の70年代、80年代に続きます。
【4位『映画クレヨンしんちゃん』】
こども映画だと思っている方がいらっしゃるでしょうが、ドラえもんよりずっと大人向けです。いや大人も笑えるアニメです。
すでに22作が作られています。
これは「ドラえもん」「それゆけ!アンパンマン」に次いで3番目なんですって。
1993年の7月に「アクション仮面VSハイグレ魔王」に始まりテレビのナンセンスを
拡大しながら、正義のために戦うしんちゃんと野原一家が映画の主たるモチーフです。
5作目から10作目を監督した原恵一監督によって、一つの完成型を見ます。
9作目「オトナ帝国の逆襲」と10作目「戦国大合戦」は、特に名作として涙も絞られました(ホント)。
ぜひDVDで見てみてくださいよ、傑作そろいです。
【3位『男はつらいよ・寅さん』】
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ギネスブックにも載っている、同一人物を同一の監督(初期の2作が別の監督ですが)が一人の俳優が主人公を演じた作品として最長、最多の48作品を連ねた世界に誇るシリーズ映画です。
前出の「トラック野郎」も「刑事物語」も、そして後継として21作を連ねた「釣りバカ日誌」も基本はこの寅さんのパターンです。
元々は、テレビシリーズから始まった寅さん。
テレビでは、南の島でハブにかまれて死んじゃったというラストだったらしいですが、
映画版では、日本の人情と景色を渡り歩く渡世人(的屋稼業)の風来坊として登場です。
いまさら語るものもありませんが、シリーズ映画を語るのには必要不可欠な作品です。
1969年から始まり、1970年から松竹の盆暮れの定番作品となり、37作目の「幸せの青い鳥」までは年2作ペースでした。
それ以降は正月だけになり、42作「ぼくの叔父さん」からは完全に正月番組だけに。
シリーズは、渥美清さんの死を以って、終了しました。
【2位・『宮本武蔵』(内田吐夢監督)】
それを上回るシリーズ作が、この作品です。
1961年から年に1作ずつ、原作吉川英治版に忠実に丹念に描き続けた作品です。
武蔵を演じる中村錦之助さんが、年々成長していくのが武蔵と重なるという
不思議な体験が出来る映画なんです。
「宮本武蔵」
「 〃 般若坂の決斗」
「 〃 二刀流開眼」
「 〃 一乗寺の決斗」
「 〃 巌流島の決斗」と、続きます。
なんといっても名作なのは4作目の一乗寺の決斗シーンですね。
画面の構図と色使いが素晴らしく、ひとつひとつの場面が絵になっています。
【1位『人間の條件』】
揺るぎなき1位は、こちらです。
10位の「戦争と人間」の五味川純平さんが、自分の従軍体験を元に書いた「朝鮮侵略」「満州国の支配」「ノモンハン事件」「シベリア抑留」をドラマとともに描き出すヒューマンドラマです。
原作に忠実に1巻を1作として作り上げ
1959年「1部/純愛篇・2部/激怒篇」
1959年「3部/望郷篇・4部/戦雲篇」
1961年「5部/死の脱出篇・6部/曠野の彷徨」
で、全9時間31分の作品に仕上げました。
小林正樹監督のこの作品を一挙上映オールナイトで見たときは、驚きと震えで10時間座ったまま動けませんでした。
こんな映画もう二度と作られないでしょうね。
選外のシリーズ映画たち
11作品に入れられなくて、選外にした作品たち。・・・シリーズは略します。
「仁義なき戦い」「眠狂四郎」「座頭市」「兵隊やくざ」「陸軍中野学校」「松竹コント55号映画」「昭和残侠伝」あえて「東宝百恵・友和映画」・・・