一語一映Ⅲ

高知市の美容室リグレッタの八木勝二が、映画や本のこと、ランチなど綴ります。

感動して涙が止まらなかったおすすめ映画ランキングベスト21選

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公式映画検定2級でもう映画を見始めてから46年経ち、その間に見た映画は約6000本という筆者が選ぶ「感動して涙が止まらない映画ベスト20」です。

次点:「カリフォルニア・ドールズ」 

カリフォルニア・ドールズ [DVD]

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 男性が極限で生きる「男性映画」を撮らせたら右に出るものは居なかった、ロバート・オルドリッチ監督の遺作は、なんと女子プロレスを舞台にした女性が主人公の映画でした。でも、主人公が女性というだけで、映画は女々しくなんか1秒もなく、アメリカンドリームを果たそうとする女子プロレスのコンビとそれを叶えようとするが、失敗ばかりのマネージャーに「刑事コロンボ」のピーター・フォーク。ラストのタイトルマッチまでの流れ、そして決戦。これぞ映画のカタルシスというべき仕上がりはさすがに映画の職人オルドリッチの最後の作品といえるものに仕上がりました。

  

20位:「フォロー・ミー」 

フォロー・ミー FOLLOW ME [DVD]

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映画のオールタイムベストテンで1位を「市民ケーン」と二分する「第三の男」や「オリバー!」の名匠・キャロル・リード監督の引退した最後の作品となります。
もう一度スクリーンで見たい映画投票で大作に混ざって、堂々5位になった作品です。無名な映画ですが一度見たら忘れられないシーンと音楽が印象的な映画。

孤独な人妻ミア・ファローとその夫に雇われた私立探偵のトポルの二人の無言劇が物言わせず感動を呼ぶと言うふしぎなテイストがして、総合的には僕のオールタイムベスト10以内の作品です。

 

19位:ロッキー 

ロッキー DVDコレクション(6枚組)

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 たいていの人が知っているボクシング映画の最高感動作です。でもテーマ曲とトレーニングで走るシーンは知っていても実際に見たことはないという方も若い方たちには多いかも?一度見てみましょう。スタローン自身が、徹夜して3日で書き上げたシナリオを持ち込んで映画化+主演。大ヒットにアカデミー作品賞というアメリカンドリームを果たすとともに、スタローンも一夜にしてトップスターに・・・。

 

18位:ベスト・キッド 

ベスト・キッド コレクターズ・エディション [DVD]

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 「ベスト・キッド」はジャッキー・チェンで再映画化される前の1984年に作られ、1994年までに4作が作られた人気作品です。「ベスト・キッド」の監督は「ロッキー」と同じのジョンGアビルドセン監督が1~3までを監督しています。

感動の盛り上がりは、だから「ロッキー」と似ています。新しい「ベスト・キッド」では師匠は本物のカンフーマスター=ジャッキー・チェンでこちらが主役になりますが、本作の「ベスト・キッド」は、ラルフ・マッチオが主人公で、日系のノリユキ・P・モリタが謎のカンフー老人を演じて、アカデミー賞助演男優候補にも。

 

17位:いま、会いにゆきます 

いま、会いにゆきます スタンダード・エディション [DVD]

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2004年の大ヒット作品です。

ピュアにあまりにもピュアに愛し合って、結ばれた二人に突然訪れた妻の死。残された息子の誕生日に毎年届くふしぎな誕生日ケーキ・・・
梅雨の季節にママは帰ると信じる親子が出会うママとの数日。何物にも変えがたい時間を振り返りながら、今までに感謝し、それからを祈る・・・
中村獅童と竹内結子が映画と同じくゴールインするという話題も加わり、当時大ヒットした映画です。回想シーンの見事さには涙が止まりません。日本版「ゴースト」とも言われましたね。

 

16位:ゴースト~ニューヨークの幻~ 

ゴースト/ニューヨークの幻 スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

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 その本家の「ゴースト」です。邦題では「コースト=幽霊」だけでは怖い映画と思われてしまうからか、「~ニューヨークの幻~」というサブタイトルが付けられました。「いま、会いゆきます」とは違い、無くなるのは男性のほうです。
1990年の作品です。単なる恋人が死ぬ、ゴーストになって恋人の周りに出没するという構造ではなく、そこに ミステリーの要素を付け加え、犯人がゴーストな彼には見えるのに、伝えようの無いもどかしさがうまく描かれます。霊媒師に扮したウーピー・ゴールドバーグが見事な演技を見せ、アカデミー助演女優賞を受賞。笑って、ハラハラして、思いっきり泣けるラブストーリーです。音楽もいいですね。

 

15位:屋根の上のバイオリン弾き 

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 1971年の映画です。元は1964年のブロードウェイミュージカルの大ヒット作品だったものを、ノーマン・ジュイソン監督が映画化したものです。
19世紀末のソ連の支配下にあったウクライナのアナテフカという寒村に住む牛乳を商売にするテヴィエとその5人の娘の旅だちを描きながら、徐々に迫るユダヤ人迫害を描き、懸命に生きる市井の人々の哀歌奏でる3時間の大作です。

 

娘が一人ひとり結婚話を持ってきては、自分の思う理想と違うことに直面し、映画の観客に向けて 「どう思います、みなさん?」というシーンに引き込まれます。

 

14位:愛と青春の旅だち 

愛と青春の旅だち [DVD]

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1982年のアメリカ映画です。頽廃的な生活から脱出すべく、海軍士官養成学校の飛行士課程に志願するザック。そこで待ち受けるのは海兵隊軍曹の鬼教官フォーリー。いい映画には脇役が光っていますねー。鬼教官役のルイス。ゴセット・ジュニアは本作の演技でアカデミー賞助演男優賞を受賞。卒業式の時点で上官となる訓練生たちに向ける「敬意と入り交ざった感情の演技」が無敵でした。

脱落者が続出する13週にわたる激しい教練をこなしながら、同期との友情、芽生える愛、色々な出来事を織りなしながら成長していく青年の姿と並行して基地周辺で玉の輿に乗ろうとする女性たちを描いていく。そして感動のテーマとともにあのラストシーンが・・・。これは涙が一気に噴出するタイプの映画です。

 

13位:告発 

告発 [DVD]

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 実話だというから驚く、日本にもアメリカにもこういう実話があるものだと恐ろしくなる。1995年のアメリカ映画で、アルカトラズ刑務所で実際に行われていた虐待事件を題材にして、この事件が明るみに出ることでアルカトラズ刑務所が廃止に追い込まれたという実話の映画化です。「フットルース」で若者の代表を演じたあと、狡猾な悪役が多かったケビン・ベーコンが一躍復帰した映画でもありました。少しの口答えで「日のあたらない」独房へ、即監禁〇日という瞬間のむごたらしさは筆舌に尽くしがたい映像の力でした。

 

12位:ショーシャンクの空に 

ショーシャンクの空に [DVD]

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 刑務所ものなら、これとマックィーンの「パピヨン」が双璧でしょうね。原作はステーブン・キング。ホラーもの以外にも「グリーンマイル」や「スタンド・バイ・ミー」などの名作の原作を手がけていますね。
この映画の刑務所も虐待刑務所です。終身刑という懲役刑でもなく死刑でもない囚人は「仮釈放」というものにすがるしか出られる方法はありません。つまり刑務官や所長には絶対服従で「点数を稼ぐしかない」という運命です。

この実態をじつくり描き、刑務所の矛盾と危険性を思い切り告発している映画でもあります。そして「何十年もすごした刑務所から出る怖さ」これも、モーガン・フリーマンが見事に演じて見せてくれました。

1995年キネマ旬報外国映画1位、読者のベストテンでも1位でした。

 

11位:シェルブールの雨傘 

シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]

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 1964年のフランス映画。全編台詞が音楽に乗って伝えられるオペレッタのミュージカル作品です。91分の小品ですが、第一部・旅立ち、第二部・帰還、第三部・不在、第四部・エピローグと舞台劇のような作劇を繰り広げます。主演は若かりしカトリーヌ・ドヌーブ。1957年のアルジェリア戦争中の若い恋人たちの別れと再会、そしてお互いの人生を歩むというシンプルな構成を大きく手助けしているのは、ミシェル・ルグランの名曲たちです。ミュージカルは嫌いという人にも受け入れられるはずです。

 

10位:幸福の黄色いハンカチ 

 名作中の名作ですが、これも古いですから見ていない方も多いかもしれません。トラブルで殺人をしてしまった元やくざの健さんが刑期を終えて堅気になって出直そうとするわけです。ついかーっとなって喧嘩をしそうになるのをぐっと押さえ、愛する妻が待つ炭鉱の街へ戻ることを考えている。

その道すがら偶然出会った若者のカップル(武田鉄矢=本格デビュー、と桃井かおり)と同道することになって、そこから新しい人間関係が生まれていく・・・

ラストシーンはわかっていても感動するという名シーンです。シナリオが抜群にいいんですね。

 

9位:祭りの準備 

祭りの準備 ニューマスター版 [DVD]

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高知県中村市(現・四万十市)を舞台にした脚本家・中島丈博さんの自伝的シナリオの映画化作品です。昭和中期の高知の田舎の出来事ですから、今では考えられない隣家との近さであり、集落の中の因習であったりが濃い世界なのです。ありえない事件が主人公の周りでは毎日起こり、田舎を飛び出したくなる衝動をよく表現しています。僕の泣きのポイントは、高校3年生の3月に見たことです。原田芳雄さんが窪川駅で主人公を「ばんざーい」と見送るシーンは有名なのですが、そのあとの主人公のさびしそうな不安の顔が最大のポイントでした。みんなこうして大人になるんですね。

 

8位:フラガール 

フラガールスタンダード・エディション [DVD]

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 映画は動きと音楽とカットつなぎの芸術だと思います。その意味で、炭鉱の町から寂れた町になった、いわきを復興させるために作られた「ハワイアンリゾート」のフラガールたちの見せるラスト近くの大団円の踊りの高揚感がすごいんです。鳥肌が立ち、感動の涙があふれ、せりふや音楽の音量で感動させるのではなく、役者の動きと目、その躍動をつないで感動させるこの映画は何度見ても、涙を抑え切れません。 

 

7位:パッチギ! 

パッチギ! (特別価格版) [DVD]

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こりゃ、やられました。
舞台が京都で、僕が大学生時代を送ったころの時代の映画なんですよ。僕も大学時代少し映画を作ったりしていましたから、同じロケ地なんか出て来ようものならそれだけで感動しちゃいます。
それよりもあの時代の朝鮮との感覚がとてもよく描かれていて、でも同じ人間だし、なんで差別があるの?という若さから来る理解の出来ないやるせなさがよくわかります。その意味で何度も出て来、ラストに収斂する「イムジン河」の曲がこの映画の主役のようです。答えは無いけど、少しずつ差別は無くなっていく、そんな終わり方がとても好きでした。 

 

6位:ロミオとジュリエット 

ロミオとジュリエット [DVD]

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 「ロミオとジュリエット」は何度も映画化されましたが、原作に最も年齢が近い二人が演じた1967年のこの作品の瑞々しさには、どの映画も勝てないと思えます。
ニーノ・ロータのテーマ曲も素晴らしく、何よりも輝くオリビア・ハッセーの可凛なこと、可凛なこと。

重苦しさもあるシェイクスピア悲劇をこんなにも青春映画として撮れるものかと、40年以上何度も繰り返し見続けています。大げさな台詞回しもぴったり来るのは、時代考証やセットがしっかりしているためなのでしょう・・・・ 

 

5位:街の灯 

街の灯 [DVD]

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1931年のチャップリンの作品です。無声映画ですが、音楽は伴奏としてつけて公開されています。ラストシーンはとても有名です。親切にしてくれていたのは大富豪だったと思い込んでいた盲目の花売り娘(このときはチャップリンが捨て身で稼いだお金のおかげで見えるようになっている)に刑務所から出てきて文無しでトボトボ歩いている浮浪者に花と小銭を上げようとするシーンで、手に触れたことで、チャップリンが恩人であることを悟り「あなただったのね」という字幕で終わる有名なラストに感動したのではありません。

完璧主義者のチャップリンは、ヴァージニア演じる花売り娘との出会いのシーン(正味3分ほど)に342回のNGを出し、1年以上かけて撮り直しされた(撮影日数534日のうち、このシーンの撮影だけで368日をかけている)らしい。
僕が一番感動したのは掛け拳闘をするシーンのギャグです。この笑を作るためにどれだけのリハーサルをしたのか考えてしまうと泣けるのです。 

 

4位:ローマの休日 

ローマの休日 [DVD]

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1953年の誰でもが知っている名作中の名作です。
テレビでの

放映回数が一番多い映画かもしれません。なんといってもオードリー・ヘップバーンの デビューといってもいいキャリアでの名演技、それはもって生まれた気品であり、今までのハリウッド女優の形を変えるほどの大きな出来事でした。髪をカットして溌剌と美容室で笑うシーンは自分の店を開くときのCMに模倣をしたほどです。
単なる新聞記者と王女の恋愛物語ではなく、ロ-マの街という舞台に繰り広げられる「命の輝き」が素晴らしいです。泣ける要素はラストの別れのシーンが一番です。
王女も去り、見物人や拝謁した人たちも去ったあとの新聞記者一人のシーンがあまりにもさびしい。さびしすぎる。 

 

3位:サウンド・オブ・ミュージック 

サウンド・オブ・ミュージック 製作45周年記念HDニューマスター版 [DVD]

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サウンド・オブ・ミュージック [DVD]

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 世界中で愛されているファミリー・ミュージカルの傑作です。DVDもたくさんのバージョンが出ていますので、廉価版もブルーレイも、歌も日本語版のも、特典たっぷりの3枚組みもありますから、ご自分のお好きな「サウンド・オブ・ミュージック」を楽しんでいただきたいです。
僕の最大の「泣きポイント」は、ウィーンの町で「ドレミの歌」を謳歌しながら、生き生きと兄弟が歌い、踊り跳ねるシーンを活写しているシーンです。このシーンを撮るのにどれだけリハーサルしたんだろう?なんて考えてしまうんですねー。

 

2位:喜びも悲しみも幾歳月 

木下惠介生誕100年 喜びも悲しみも幾歳月 [DVD]

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やはり日本人なんだなー、と思いいつも見始めたら2時間42分があっという間に経っている作品です。1957年の正月映画です。木下恵介監督には「二十四の瞳」「永遠の人」など涙なしでは見られない作品がたくさんありますが、地図が大好きな僕のハートに一番残るのはこの映画の各地でのエピソードとそれにあわせて成長していく子供たちです。一時は転勤していく友人にこのビデオを買って渡していたものです。今ではそれも止めましたが、灯台守という仕事の大変さはよほど感じたものです。 

 

1位:砂の器 

<あの頃映画> 砂の器 デジタルリマスター版 [DVD]

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なんといっても、最後の大団円の盛り上がりがすごいんです。全編2時間23分のうち、ラストの「宿命」のコンサートが始まってから、謎解きが解明され、ラストにいたるまでの映像詩がなんとほぼ1時間・・・これは脚本の力がなければ成し遂げられない奇跡的な作品です。原作を映画化作品が超えたという点でもトップだと思います。
脚本の橋本忍+山田洋次の二人がいかに日本映画に名作をたくさん残したかの集大成のようです。この映画はラスト1時間泣きっぱなしです。見事すぎる映画です。

 

まとめ

改めて、泣ける映画感動する映画を並べてみると、たくさんあるものです。

列記してから、順番を付けて行っていて感じたことは、1~10位に日本映画が6本も入り、11~21位まででは、日本映画は1本だけにとどまったことです。
映画つくりの巧さは外国映画かもしれませんが、こころの機微に触れる作品となると日本映画に軍配が上がってしまいます。
作品の出来がよいものばかりではありません。作品ベスト10をやると大幅に作品名が変わってきます。それはまたの機会に・・・

日本映画ではラストシーンに大音量でテーマ曲を流して感動を無理強いする安易な作品が多いので、魂を揺さぶられるような作品を期待したいと思います。