一語一映Ⅲ

高知市の美容室リグレッタの八木勝二が、映画や本のこと、ランチなど綴ります。

昭和の映画レビュー 「大脱走」「女番長ブルース 牝蜂の逆襲」「青い山脈(吉永小百合)」


★★★★★・・・なにを置いてもレンタル店へ走ろう ←新設しました
★★★★・・・絶対オススメ 
★★★・・・一見の価値あり
★★・・・悪くはないけれど・・ 
★・・・私は薦めない 
☆・・・おまけ

※本編の内容に触れる個所がありますから、観られていない方は、ご注意ください。


『大脱走』


僕のオールタイム洋画ベストテンに入る娯楽大作なのですが、
1963年の興行成績3位に入りながら、キネマ旬報ベストテンには入っていません。
「史上最大の作戦」なんかもその部類ですね。

とにかく見るたび、新しい発見。
見るたび、途中で止められなくなる。
見るたび、捕まるな、逃げおうせ、と思ってしまう。

キャラクターがそれぞれに立ち、この映画から主演クラスのスターが何人も育っていきました。

チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、デヴィッド・マッカラム、
ジェームス・ガーナー、リチャード・アッテンポロー、
そして大きくステップしたスティープ・マックィーン。

娯楽映画であり、超大作アクションであり、戦争の無意味さを描く名作です。
★★★★★


『女番長ブルース 牝蜂の逆襲』


1971年の東映のピンキー映画のスタートのころの、
「ポルノアクション」と分類された(本当にこういう分類があったんです)女番長シリーズの第一作です。
その前に、梅宮辰夫の「不良番長」シリーズがあるわけです。
それを女性版でやると、ポルノという要素が入ってくるわけです。
あ、女番長と書いて「スケバン」と読んでくださいね、お願いします。

当時の東映のポルノの女王(ちなみに自称「ポルノの帝王」は故・山城新伍さん)池玲子さんが
体当たりの熱演をします。

監督は後にトラック野郎シリーズを手がける鈴木則文さんですが、
ここでは、スタートの10分ぐらいまでの切れは見せるものの、
シリーズの骨格がはっきりしていないためか、あっちへ行ったりこっちへ来たりのストーリーが
ややもまどろっこしくもあります。

ともあれ、東映ピンキー路線の出発点の映画です。
この後の作品の原点として楽しめましたよ。
★★


『青い山脈』


何度も映画化されている小説「青い山脈」の中でも1963年の吉永小百合さん主演版です。
名作1949年版の原節子さん主演の「青い山脈」と決定的に違うのは、主人公が違うことです。
原節子さんは島崎先生を演じましたが、吉永小百合さんは新子役で主演をしました。

その分、開放的です。
相手役は日活黄金コンビの浜田光夫さん。
そして、ラグビー青年に、若かりし高橋英樹さんが扮しています。
今も活躍している俳優さんたちの若かりしころを見るのはとても楽しいばかりですが、
亡くなっている人も出てくるので、少しさびしくなることもあります。

監督は、浜田―小百合で青春映画を増産し、後年、友一―百恵で東宝青春シリーズを撮る
青春映画の巨匠・西河克己さんです。この人の映画には屈託がなく、テンポが快調です。

いまだと、西河監督は誰を主演に映画を撮りたいんだろうなぁと考えながら見ていたのでした。
★★★