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一語一映Ⅲ

高知市の美容室リグレッタの八木勝二が、映画や本のこと、ランチなど綴ります。

キネマ旬報ベストテン鑑賞レビュー 「男と女」「飢餓海峡」

映画マイラブ キネマ旬報 DVD鑑賞

★★★★★・・・なにを置いてもレンタル店へ走ろう ←新設しました
★★★★・・・絶対オススメ 
★★★・・・おススメ。
このコラムではこれ以下はありません。

※本編の内容に触れる個所がありますから、観られていない方は、ご注意ください。



『男と女』

1966年 外国映画第5位 フランス映画 102分 モノクロ/カラー
監督・脚本=クロード・ルルーシュ、脚本= ピエール・ユイッテルヘーベン、音楽=フランシス・レイ
出演=アヌーク・エーメ、ジャン=ルイ・トランティニャン、ピエール・バルー、シモーヌ・パリ

(ストーリー)
スタントマンの夫を事故で亡くしたスクリプト・ガールのアンヌは、
娘を寄宿学校に預け、パリで一人暮らしをしていた。
ある日、娘に会うために寄宿学校に行った帰り、パリ行きの列車を逃してしまう。
そんなアンヌにジャン・ルイという男性が車で送ると申し出た。
ジャン・ルイも同じ寄宿学校に息子を預けており、また、妻を自殺で亡くしていた。
二人はすれ違いを繰り返しながらも、お互いに段々と惹かれてゆく。

(鑑賞)僕が観たのは、1972年10月「キャバレー」と同時上映のときですから
土電ホールが、名作はしきりに勝手にリバイバルしていたころです。
「キャバレー」のインパクトが強く、「男と女」がわが歴代洋画ベストテンに入ってくるのは
だいぶんあとのことなんですよ。
「七人の侍」が公開当時はその年のベストテンで3位だったように・・・

♪ダバダバダ、ダバダバダ は知っていましたが、ほかの流れも映画としての「ドラマ」が
弱すぎるような気ががして、きれいでテンポのいい映画、ぐらいにしか感じていませんでした。

モノクロとカラーの使い方が変におしゃれでしたが
こぼれ話で聞くと、最初は予算が少なくてモノクロで撮っていたが
途中からスポンサーがついて、カラーも使えるようになり、
基本、室内がモノクロ、屋外がカラーという感じになり、これまたおしゃれ度がぐんと上がりましたね。

このころの監督・ルルーシュと音楽・フランシス・レイは天才コンビでしたよね。

男と女の機微がわかってくるに従い、
僕の中でのランキングがどんどんあがって行った珍しい作品です。

アヌーク・エーメの旦那さん役の俳優がボサノバをギターで弾きながら歌うシーンの
タバコを右手の小指と薬指に挟むの、ずいぶん真似したなぁと懐かしく思い出します。
★★★★★

『飢餓海峡』


1964年 日本映画第5位 東映作品 182分 モノクロ
監督=内田吐夢、脚本=鈴木尚之、製作=大川博、原作=水上勉、音楽=富田勲
出演=左幸子、三国連太郎、伴淳三郎、高倉健、加藤嘉、三井弘次、沢村貞子、藤田進

(ストーリー)
昭和22年に青函連絡船沈没事故と北海道岩内での大規模火災が同時に起きる。
火災は質屋の店主を殺害し金品を奪った犯人による放火と判明。
そして転覆した連絡船からは二人の身元不明死体が見つかった。
それは質屋に押し入った三人組強盗のうちの二人であることが分かる。
函館警察の弓坂刑事は、事件の夜に姿を消した犬飼多吉という男を追って下北半島へ赴く。
そこから展開する、男と女の愛憎と、戦後の貧しさの中での人々の生きる葛藤を描く。

(鑑賞)
 水上勉の同名推理小説を内田吐夢が映画化です。
「砂の器」と並び、日本映画の傑作でしたね。

今回初めて見ました。182分と長いのと、モノクロという点でテレビではなくスクリーンで
見たい1本だったのですが、「新・午前十時の映画祭」で上映されてのをきっかけに、
DVDで見ることになったのです。高倉健さんの追悼の意味もありました。

見てみて、3時間2分はあっという間でした。
いい映画というのは、ほんとに短く感じますね?

左幸子さんが演じる青森・下北の娼婦役は、体当たり演技というより、
なりきり過ぎて演技していると思えないうまさ。
三国連太郎は、怪優男優の名をほしいままにした、全身演技。
この二人の熱演に、映画の半分は作られ、伴淳三郎の函館の刑事役は
この後の「執念の田舎刑事」の見本になったほどの見事さでした。

社会派ミステリーとはいえ、人間の業を描く点においては、「砂の器」よりも
少し勝るかもしれません。
「宮本武蔵」5部作+「真剣勝負」を作った内田吐夢監督の紛れもない代表作となりました。
★★★★