一語一映Ⅲ

高知市の美容室リグレッタの八木勝二が、映画や本のこと、ランチなど綴ります。

「10代の恋愛映画」マイベスト10




近頃10代の恋愛映画で、心に残るものがありません。
邦画でケータイ小説や、少女コミックスを題材にしたもので映画化されるものはたくさん有り、
「君に届け」がよかったぐらいで、「恋空」などは映画館で見るべき作品ではありませんでした。

ですから敢えて、皆さんにこんな名作があるんですよと、お伝えしたく
過去に見た10代(を中心にした)恋愛映画の名作をベスト10にして見ました。
大体がDVDで見られるものですから、気にかかったらご覧下さい。

【次点・ハナミズキ】


邦画で新しいものでは、ぴか一の出来栄えですね。
次点にしたのは?10代からおとなになるまでの大河的恋愛ドラマだから
?演じた俳優が10代ではないから、の2点でしょうか?
でも日本映画の恋愛モノとしては、とてもよく出来ていて、映画らしい映画でした。

【10位・青い珊瑚礁】


この手の10代の恋愛モノでは、一つのパターンにある無人島もの。1980年。
ヒロインの水浴シーンが売り物になったりしますが、この映画のブルック・シールズも同様です。
男の子を演じたクリストファー・アトキンズも肉体美でしたが、名前はほとんど忘れられています。
ブルック・シールズ15歳にして大女優の貫禄です。

【9位・エンドレスラブ】


これまたブルック・シールズですね。「青い珊瑚礁」に次いで15歳で出た作品です。
監督がなんと言ってもすごい。「ロミオとジュリエット」のフランコ・ゼフィレッリ監督なのですよ。
隠れファンも多い作品で、わりと最近までDVDになっていませんでした。1981年作品。

【8位・ダウンタウン物語】


この頃の子役といえば、美貌のブルック・シールズと演技派のジョディ・フォスターでした。
出演者の全員が子どもで、大人の役を演じるダウンタウンのギャングの構想と
ショービジネスの世界を描いたミュージカル作品です。これも珍しい作品ですね。
1976年アラン・パーカー監督作品、ジョディ14歳のとき、「タクシー・ドライバー」の前の作品。

【7位・フレンズ-ポールとミシェル-】


これもヒットしましたよ。「フレンズ2」まで出来ましたものね。
1970年、007でも有名なルイス・ギルバート監督作品です。
17歳のアニセー・アルヴィナが、大胆なヌードシーン+出産シーンを演じるのが話題になりました。
相手役のショーン・バリーくんはその後、全然知りません。
フランスの田舎地方のロケが美しく、エルトン・ジョンの音楽もよかったですよぉ。

【6位・くちづけ】


唯一の日本映画ですが、古くて1957年の増村保造監督のデビュー作。
19歳の野添ひとみと20歳の川口浩がカップルを演じます。
増村監督、それまでイタリア留学していた影響でしょう、映画が日本のテンポじゃないんですよ。
カットに切れがスピーディで、セリフもイカシテいます。モノクロですがいいんです。

【5位・禁じられた遊び】


あまりにも古典的過ぎて、見ている人はかなり少ないと思います。
でもギターの練習をした人は、テーマ曲のナルシス・イェペソの有名なギター曲は知っているでしょう。

この二人の恋愛は恋というよりまだ幼いかもしれません。
でも5歳のポレットに、十字架を盗んで持ってくる11歳のミシェルは、明らかに恋心を抱いています。
当時6歳のブリジット・フォセーに女性を感じることは難しいが、孤児としての哀れみより、
少年の初恋だと映画では見えました。悲しい映画の中での少ない救いの部分です。

【4位・ジェレミー】


1973年のアメリカ映画です。
10代の恋愛といえど、かっこいい+きれいな俳優が演じるのが映画だと思っていた矢先、
運動ダメ、やせてヒョロヒョロでビン底メガネをかけ、頭は天然パーマな冴えないやつなんです。

見たのが高1のときでしたから、思い切り近親感がありましたね。
自分そのものみたいな主人公で、失恋の仕方も、転校というありきたりさ。
それがまた余計に胸に刺さりましたよ、等身大過ぎて。みうらじゅん氏も絶賛の映画です。

【3位・小さな恋のメロディ】


1971年イギリス作品。米英国では全然だったのに、日本では大当たりしたという映画。
その中にビー・ジーズの名曲が日本で人気があったという要素は見逃せません。
11歳の設定を13歳のマーク・レスターと、12歳のトレイシー・ハイドが演じました。
ここでも符合のマークの家に対し、貧乏のトレイシーの言えという黄金パターンは生きています。

小学5年生の恋愛ですから、ヌードや出産という要素がなく、純真さわやかだったのが
日本人受けした大きな理由のひとつかもしれません。
一般人の「もう一度スクリーンで見たい名画」の8位に2010年に選ばれました。
日本で人気のあったレスター君、東宝で「卒業旅行」なんて主演映画もありました。

【2位・リトル・ロマンス】


1979年のアメリカ映画ですが、舞台はイタリアです。
天才的IQを誇る富豪の娘と貧乏な少年(15歳ぐらいと思われる)の出会い、
恋心、障害、一計、逃亡、そんなスリリングかつユーモラスな映画です。
のちのアカデミー主演賞女優・ダイアン・レインのデビュー作であり、
名優ローレンス・オリビエや、サリー・ケラーマンなどの俳優さんが脇を固めていますから
映画としてもかなりしっかりしたものになっています。
監督も、「明日に向って撃て!」のジョージ・ロイ・ヒルさんだし。
こう見たら、未来の名優、巨匠たちの仕事が多いですね。

【1位・ロミオとジュリエット】


これは移動の仕様がないダントツの1位ですね。
詳しくは、この前のブログで書いたばかりなので、 そちら を見ていただきたいところです。

とにかく重々しいシェイクスピアが躍動感あふれる映画になった。
それだけで青春の1本といえると思います。