傷ついた小さな迷い子-ハクビシンが迷い込んできたよ
朝、母親が大きな声で、
「はよぅ、出てきて〜!!」
と呼ぶもので、何事かと急いでで行くと、
猫のような、狸のような、子犬のような動物がうちの納屋で、
寒そうに丸まっています。
「イタチやおか?狸にしちゃあ、ヒトに怯(お)じん」
「さあ・・・?」
「待ちより、近所の詳しいおんちやん呼んでくるき」
こうやって、逃げられないようにして、
近所のおんちゃんを呼びに行きました。
取り上げて、「こりゃ、ハクビシンぢゃねぇ」
と一発で答えました。さすがやね。
放してみても、逃げません。
ここから人間たちの勝手な考察です。
「山から餌がないき、降りてきたがやろ」
「寒いきねぇ、近頃は」
「こらぁ、子供で。親と里へ降りてきてはぐれたがやろうね」
「うちの干し柿食べたがは、これやおかねぇ」
山から夜(ハクビシンは夜行性なのです)、親と餌をとりに来て、
犬か何かに見つかって、怪我して親とはぐれたがやろう、という結論になりました。
動物大好きな母は、怪我が治るまで飼うちゃろう。
と、バナナを入れ、あとでリンゴも入れていました。
2晩泊まっていましたね。
3日目の朝、覗いたら居なくなっていました。
「親が探し当てて、連れ行ったがやろう。
よかった、よかった・・・・」といいました。
少しだけ母は、寂しそうでしたれけど、ね。