一語一映Ⅲ

高知市の美容室リグレッタの八木勝二が、映画や本のこと、ランチなど綴ります。

独断と偏見の映画評 115

★★★★★・・・なにを置いてもスクリーンへ走ろう ←新設しました
★★★★・・・絶対オススメ 
★★★・・・一見の価値あり
★★・・・悪くはないけれど・・ 
★・・・私は薦めない 
☆・・・おまけ

※本編の内容に触れる個所がありますから、観られていない方は、ご注意ください。



『ルパン?世VS名探偵コナンTHE MOVIE』


2009年に両作品を放映していた日本テレビと読売テレビの周年記念を期して作られた、
コラボ作品はテレビ映画でした。
金曜ロードショー枠で放映されたのは、見ていました。
国際色豊かで、ルパンの世界とコナンの世界が、無理なく融合されていることに驚いたものでした。

4年弱経っての映画化です。
ルパン?世も、長い人気物ですが、「カリオストロの城」を別格とすれば
1978年の「ルパンVS複製人間」が最高傑作であり、
コナン物では2002年の「ベイカー街の亡霊」が一番好きです。

さて本作はというと、正直あんまり面白くなかった・・・です。
テレビ版のほうが面白かった気がするのは、単体の映画なら成り立つシークエンスも
双方を立てようとすると、ルパンワールドの中にコナンが居たり、
コナンワールドの中に無理やり、ルパンのキャラクターが入ってきたり、で
違和感なく見られたのは、灰原哀と峯不二子の入浴シーンぐらいのものでした。

謎解きが面白さのコナンと、アクションとギャグが売り物のルパンでは
ルパンの世界が勝ちすぎていて、コナンに無理やりアクション俳優を演じさせている感じでした。

コナン映画のお約束「エンドロールの後のエピローグ」だけは健在でしたがね。★★



『利休にたずねよ』


山本兼一さんの直木賞受賞作の映画化です。
信長・秀吉の茶の世話に使えた、茶人・千利休の半生を描いたものです。

「利休にたずねよ」とは、武将がまつりごとのことにまで「たずねる」地位に上り詰めた「たずねよ」と
利休の若かりし頃の高麗人の娘との禁断の愛をずっと、利休の妻が「たずねたかった」という
ラストの台詞にかぶって、実に見事な構成でした。

利休は、修行時代、名をなす時代、切腹を命じられる晩年を演じ分ける市川海老蔵さんと
藤吉郎、秀吉と段々傲慢な独裁者になっていく、大森南朋さんの静と動の葛藤が
見事に対立して、見せ場を作ります。

たっぷりと大人の俳優さんの演技を楽しめる落ち着いた映画でした。★★★★